第4章 Y's

10/11
前へ
/2979ページ
次へ
「お疲れ~」 「お疲れ様でした~」 心地よい汗をかいた後のこのシチュエーションでの料理とビール。 もう、最っ高ー! ビールもうまい! ほんと、生きてるって感じ! 「うまいっす……」 雪奈ちゃんが泣きながら食べている。 「なに?どうしたの?」 私が目を点にしながら聞くと、目をうるうるさせながら言った。 「最近、晩ご飯がおつまみばっかりですぅ~」 きゃはははは! 幸代ちゃんの作る料理を思い浮かべて笑ってしまった。 「だって、私は飲んでるだけでいいもん!」 幸代ちゃんは泣きながら食べている妹をほっといて、ビールをグイッと空けた。 「ぷっはぁあ~、幸せ~」 だめだ、こりゃ。 「雪奈ちゃん、いざって時はうちにおいでよ。美味しいの食べさせてあげるよ~」 「こらこら、あんたが言う台詞じゃないでしょうが」 全く料理を作らない由梨につっこんだが、まるで意に介していない。 「まあ、そうね。美味しいの食べさせたげるわ。我慢できなくなったらおいで」 「うれひぃですぅ~。ありがほうございまふ~」 私が言うと、雪奈ちゃんは口いっぱいに食べ物を頬ばりながら、さらにうるうるしていた。 「でもさ、泣くぐらいなら、そろそろ雪奈ちゃんも料理始めたら?」 「やですぅ~」 「おい」 もう知らない。 そんな感じで、わいわいがやがやと4人で騒ぎながら、たまに夜景に見とれながら、休みの夜を過ごした。  
/2979ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3589人が本棚に入れています
本棚に追加