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時間になって、会場の照明が暗くなった。
「さあ、行こうか」
私の言葉に、みんながうなずいた。
みんな、いい顔だ。
ステージの各ポジションに散る。
私も自分のポジションにつき、ギターのストラップに頭を通す。
肩にかかる重さが気持ちいい。
チューニングを確認する。
……OK。
今回の私達のファッションテーマは「スーツ」
私と由梨はスカートで、山元姉妹はスラックスタイプ。
私と幸代ちゃんは腕まくりして、さらに私は光平君のブレスレットしてるけど、基本はダーク系のスーツでビシッとね。
前回はカントリー系だった。
私達は演るごとにファッションのテーマを変える。
そこは、私達の遊び。
ファンの何人かに聞いたけど、意外と楽しみにしてるらしい。
みんなもチューニングが終わったようだ。
みんなが私を見る。
私も笑顔で答えて、健輔君達を見る。
健輔君がOKサインをした。
幸代ちゃんに合図する。
スティックの音。
音と同時にステージはまばゆい光に包まれた。
歓声が上がる。
この瞬間が好き!
咽の調子も最高!
高音がいつにもまして伸びていく。
あっという間に最初の曲が終わった。
拍手喝采と歓声の中、私は叫んだ。
「Y'sです!今日は楽しんで!」
また歓声が上がる。
すぐに次の曲へ。
私たちはあまりMCをやらない。
一気に演奏だけで行く。
3曲目の時、ライティングが客席をぐるぐると回った。
そのライティングの中に光平君がいるのを見つけた。
来てくれてたんだ……
私のテンションが上がった。
由梨がすぐに気付いたようだ。
視線が合ったら、その口が「よかったね」と動いた。
私はふっと笑って間奏の後のサビを歌った。
最後の盛り上がりの連チャンの前が新曲だった。
「次は新曲!destiny!」
みんなノっていた。
見事、間違えずに演りきった。
観客の反応もいいようだ。
Y'sの曲として認識されたかな。
次の曲から、盛り上がるナンバー4曲で一気にラストまで行った。
歓声が止まない中、私達はステージの前に並んで、私が叫ぶ。
「Y'sでした!ありがとう!」
みんなで手を繋いで頭を下げる。
そしてフィナーレを終えて、手を振りながら控え室に戻った。
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