最後の悲しみ

19/19
451人が本棚に入れています
本棚に追加
/149ページ
「…華恋…。華恋は人一倍優しいけど人一倍傷つきやすい。それを知ってるのに…なんでだろうね…華恋…」 お母さんはそっと華恋を抱き寄せた。 「私がもっと強かったら…こんなことにはならなかったのに…私が…いなかったら…」 「華恋は悪くないです。俺が人の家族に勝手に口出ししたから…」 そう言った颯汰先輩をお母さんは華恋を抱き締めたまま見る。 「華恋が悪いとか…颯汰くんが悪いとか…そういう意味じゃないわ。これはあの人が決めたことであって誰が悪いってことじゃないのよ。颯汰くんも華恋も、元気出して!」 お母さんはそういいながら笑った。 誰よりも辛いはずなのに…誰よりも笑顔でいてくれた。
/149ページ

最初のコメントを投稿しよう!