4章~心の傷痕~

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  ゆっくりと去っていく二人の男の姿が見えなくなった頃、ルルはポツリと言ってきた。 「オレ……思い出したよ。」 「……何を?」 「オレがこの地上に来た目的……。」 ルルは月を見上げながら、話を続けた。 「オレは国の図書館で、言い伝えを調べていたんだ。でもオレは、その言い伝え通り、今も同じ状況だとは信じられなかった……。」 ルルは月にむかって、手を伸ばした。 「……サフィは知ってるか?地上と月を繋ぐ、唯一の道のこと。」 「知ってるよ。月の道(ムーンロード)。人間と獣人族が対立する時に閉じられた道のことね?」 ルルはコクリと頷いた。 「オレは……本当のことを確かめたくて、みんなの反対を押し切り、封印された月の道を……自分の魔力を使って、無理矢理こじ開けたんだ。」 「じゃあルルがあそこに倒れてたのは……。」 「そう。あそこが月の道のある場所だったからだよ……。」 「私も行ってみたいな……。ルルの生まれた国に。」 「今は無理だけど、いつかきっと、ね……。」 「それにはまず、国に帰る方法を見つけないとね!」 「……オレ、約束する。昔と同じように人間と獣人たちが共存する世界にする。今の人間たちとなら……不可能じゃないと思うから。」 『ルル』としてではなく、『ルルナリアス』としての決意を固めた。
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