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月の国に帰る為には、月の道が必要不可欠だった。しかし、地上から道を開く方法は全く見つからなかった。
「道を開く方法、なかなか見つからないね。」
「だぁ~。地上の図書館に月の道に関する本が一つもないなんて……もう八方ふさがりじゃ―――。」
ふと何かの気配を感じて、ルルは猫耳をピクピクと動かした。
「どうかしたの?」
「いや……なんか人の気配が。」
その時、タイミングよく店の扉が開いた。だが、開け放たれた扉には人の姿はなかった。
「……やっと見つけましたよ。ルルナリアス=ライト=フェンネ第一王子。」
その声は、誰もいないはずの開け放たれた扉の所から聞こえた。
二人はふと気づいて、下の方を見やる。
そこに―――1匹の白い猫がいて、青と黄の色違いの瞳が……じっとこちらを見ていた。
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