1章~運命の出会い~

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町はずれに住んでいるサフィニアは、夜の草原に座り込んで、夜空に浮かぶ月と星をじっと見つめていた。夜空に輝く月と星たちは、あたりの闇に負けないように、力強く輝いていた。 夜空に見入っていたサフィニアは、冷えた体をさすった。まだ見ていたかったのだが、これ以上いたら風邪をひいてしまう。 家に帰ろうと思い、その場を立った時、近くに人が倒れているのを見つけた。サフィニアはあわててかけよった。 倒れていたのは少年で、襟のついた白いシャツの上に黒いベストを着て、首もとにはアメジスト色のスカーフを巻いていた。そして頭には、普通の人間とは思えない、猫耳があった。 「大変っ!?」      *    * 「なぁマオ。この言い伝えって、本当のことなのか?」 「昔からずっと伝えられてきたモノですし、ウソはないと思いますよ?」 「でもこれって、百年も前のことであって、今現在のことを言ってるわけじゃないんだろ?」 「確かにそうですケド……。今現在、地上の国がどうなっているかは確認できませんし。」 「でもオレ、どうしても気になる。今もこの言い伝えのままで何も変わっていないのか、それとも全く違うのか……。」    *    *
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