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「………。」
目を覚ました少年は起き上がった。体がなぜかだるかった…。
ふと気がついてあたりを見回すと、本が何冊か入った本棚に、小さな机とイス……。明らかに自分が全く知らない場所にいた。そして自分はというと、その部屋にあるベットに寝ていたというわけだ。
「あっ、気がついたのね?よかったぁ。」
そう言って部屋に入ってきたのは、ピンクのシャツの上に白いカーディガンを着て、膝までくるスカートをはいた少女だった。
少年はその少女を警戒して、冷たい目で睨みつけた。
「君、どうしてあんな所に倒れていたの?」
その言葉を聞いた少年は驚いた顔で、少女を見た。
「昨日の夜、私の家の外に倒れているのを見つけたのよ。」
少年は眉根をよせて、しばらく考え込んだ。
「ねぇ、君の名前はなんていうの?私はサフィニア=ローレンス。この街で薬屋さんみたいなものをやっているわ。」
彼女の笑顔を見て、少年は警戒をといて、ポツリと言ってきた。
「――ルル。」
名前を聞いたサフィニアは、嬉しそうに彼の手を軽く握った。
「そっかぁ。よろしくね、ルル君っ。」
「――ルルでいい。子供扱いするな。」
ルルと名乗った少年は、そっぽをむいたままそう言った。
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