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「父さん。オレ……地上に行ってみたい。」
「なっ!?何を考えているのだ、おまえは!?我ら一族を差別する人間共の地に、自ら行く必要がどこにある!?」
「オレには、地上の国が今も言い伝えのような状況だとは思えないんだ。だからオレは……それを確かめに行きたいんだ!!」
「ダメに決まっているだろう!!自分の部屋に戻れ!!」
「――っ。父さんのっ、わからずやっ!?」
* *
サフィニアの態度は、その後も全く変わらなかった。彼女の介抱のおかげで、すっかり元気を取り戻したルルは、店を手伝いながら楽しくすごしていた。
彼女の店を手伝いながらすごしているうちに、ルルは……気がついたのだ。
優しいのはサフィニアだけではなく、街の人々みんなが優しいという事を――。
店を離れられないサフィニアのかわりに、ルルが初めて街に買い出しに行った時、街の人々は皆優しく声をかけてくれた。
ルルは自分が思っていたことが間違いではない事を知り、とても嬉しかった。
―――しかしその思いは……もろくも崩れ去る。
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