ダウト

54/56
前へ
/1290ページ
次へ
「では美砂さん。針の壁動かしますね。弟さんはまた後で…」 「お願い…。私、もう…」 「決められたことは、実行する。それがゲームのモットーです。噂を試されたことを後悔してくださいよ」 大きな音と共に、針の壁が動き出した。 針の壁は私の左右60センチに位置している。 またゆっくりと動く。 なんとか私はこの針の壁から避けようと走るが、すぐに他の壁に当たってしまう。 逃げ道はなかった。 壁はさらに動き、私に迫る。 私の人生はなんだったのか。 私は何を信じて生きてきたのか。 私は結局、何を信じていたのか。 私は、誰に必要とされていたのだろう。 今の私に心からの友達は一人としているのだろうか。
/1290ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72217人が本棚に入れています
本棚に追加