死霊使い

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暗い森を荒い息をあげながら全力疾走している―――俺 しっかりと被ればいかにも黒魔術師なローブはそこらかしこ焼け焦げ、頭に被る部分は走っているせいか頭の後ろでマントのようにはためいている。 俺は右手に持つ鉄製の杖に語りかけた。 「街まで後どれくらいだ?」 何もこの行動は俺が妄想癖なわけではない。 Soul of arms Online(通称SOA)ではキャラクターの作製時に、武器もデザインする。 SOAは、従来のネットゲームと体感型という以外で、大きな違いがもうひとつある。 武器に高度なAIを詰んでいる所だ。 従来のように、ダンジョンで武器を拾うのではなく、能力を拾う、そしてそれを武器に組み込むのだ。組込める容量も存在し、容量はプレイヤーのレベルアップと共に大きくなる。 今回の騒動は俺の職業も多少は関係しているが、俺が拾った能力が原因だった。 分かりやすく言おう。 (約3kmはあるはね、向こうはランサー、こっちは根暗) 追い掛けられている。 「迎え撃つしかないか・・・」 こちらとて命がかかっている。 ――現実の命が
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