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――*――
真っ白い頭の中にお気に入りの曲のサビ部分が流れる。
しばらく聞いてからそのメロディーが目覚ましのアラーム音になっていることを認識し、あわてて音源に手をのばす。
たぐり寄せてスライド式の携帯電話の画面を見れば、三度目のアラーム設定時間がでかでかと表示されていた。
相変わらず十分ごとにアラームを何個も設定しなければ俺は起きられないらしい。
「今日は三回か……」
午前八時ちょうど。
本来ならば七時四十分起床のところなので、二十分の寝坊だ。
少しかけ足気味に寝巻きのジャージから学校指定の制服に着替え、クリアケースに今日の分の教科書を詰め込む。
「ジューン、もうそろそろ起きなさーい」
四度目のアラームと同時刻にかかる母親の声。
俺が二回目のアラームで階下に行かないと必ず言ってくれる。
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