1.俺に何か恨みでも

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  「もう起きてるよ!!」  急いでいるため少々怒鳴るように階下へ告げると、愛用のマフラーとエナメルバッグ、先ほどのクリアケースを抱え込み部屋を飛び出した。  台所へ行き、すでに用意されている白いご飯に味噌汁という和風の朝食を平らげて、八時二十分。  家から学校まで十分弱。朝のホームルームが始まるのが八時半。  早足で行けばギリギリ間に合う。  今しがた空にしたお茶碗とお碗をを流し台のオケに沈め、その流れでお弁当を掴みエナメルバッグに放り入れる。 これでマフラーを首に巻きつけバッグを肩に掛けたら準備万端だ。 制服に似合う革靴を履いて外に通じる戸に手をかける。 「行って来まーす!」  ノブを回した途端、差し込んでくる溢れんばかりの日の光。 そのまぶしさに目を細め、今日は晴れなんだとしみじみ思っていると、ふとある事に気がついてあわてて先ほど放したドアノブを捕まえる。 そして、家のどこかにいるであろう人物に大声で呼びかけた。  
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