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司はついポカンとした顔で慎吾をみつめてしまった。
「…わ…私…は…歳も上だしかわいくないし…そんなあれじゃ言えんやろ…」
「そんなこと言ったら僕だって歳下だし情けないし…」
顔を真っ赤にしながらつぶやく慎吾をみて、司はたまらず笑ってしまった。
「イジイジせんと、もっと堂々としゃべらんかい。」
「司こそもっと可愛い台詞は思い浮かばないの?」
お互いに冗談を言い合って笑いあう。いつの間にかいつも通り話していた。
「…」
「…」
「「あの…」」
一瞬の沈黙の後、2人同時に話し出す。
「すまん。ええよ、話して。」
「……司…どうぞ!」
「…そうか?じゃあ…うち…あんたが好きやっていったやろ?」
司の問い掛けに慎吾はコクンとうなづく。
「せやから…明日からまたなにごともなかったように~なんてできない。他の女の子と話してれば嫉妬するし、怒ってしまうと思うんだ。だから…はっきりさせたいというか…」
「なんで自分にじぶんでとどめさしてんだろう。気ぃ利かして言ってほしいわ。」
最後はおどけながら、司は精一杯の笑顔でやっと告白をした。
「僕は…やっぱり男らしくないし優柔不断かもしれないよ?」
慎吾は司から視線を外しながら心配そうに答える。
「知ってるわ!何年一緒だと思ってんだよ。」
「…僕、司の彼氏になれたら嬉しい男らしくなれるように頑張るから!」
ガッツポーズをしながら慎吾は真っすぐ司を見つめる。
「よろしくな。慎吾」
嬉しさやら、照れ臭さやらが入り混じりなんとも言えない〆になってしまった。
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