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「梨緒。」
それから学校に戻ると下駄箱に椿、凌、梨緒の3人がならんでいた。
梨緒のいつもは愛らしい顔が凍りついたように固まっていた。
「司…酷い事いってごめんなさい。」
涙目になりながら梨緒があやまってくれた。多分、椿が諭してくれたんだろう。
「梨緒…私の為に怒ってくれたんやろ?私がいけなかったよな。ごめんな、ありがとう。」
司の言葉が終わると同時に梨緒が飛びついてきた。
「やっぱり司はこうでなくちゃ!」
「反省したふりしてたやろ!?」
「だって梨緒悪くないもーん!」
言いたい事を我慢して、自分の気持ちを騙して来たから…少しごちゃごちゃしちゃったけど、大切な人と過ごす新しい時間を手に入れられた。
自分の気持ちは自分にしかわからない。伝えなくちゃ伝わらない。
当たり前の事だけど凄く難しい事…いつか素直に…人に気持ちを伝えられるように、自分の良いところを見つけて、自分を好きになろう。
「なぁ、慎吾…」
「なに?司。」
「うち、たぶんあんたが思ってるより、あんたが好きやで。覚悟しときや…」
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