SECOND STORY

23/23
前へ
/90ページ
次へ
「梨緒。」 それから学校に戻ると下駄箱に椿、凌、梨緒の3人がならんでいた。 梨緒のいつもは愛らしい顔が凍りついたように固まっていた。 「司…酷い事いってごめんなさい。」 涙目になりながら梨緒があやまってくれた。多分、椿が諭してくれたんだろう。 「梨緒…私の為に怒ってくれたんやろ?私がいけなかったよな。ごめんな、ありがとう。」 司の言葉が終わると同時に梨緒が飛びついてきた。 「やっぱり司はこうでなくちゃ!」 「反省したふりしてたやろ!?」 「だって梨緒悪くないもーん!」 言いたい事を我慢して、自分の気持ちを騙して来たから…少しごちゃごちゃしちゃったけど、大切な人と過ごす新しい時間を手に入れられた。 自分の気持ちは自分にしかわからない。伝えなくちゃ伝わらない。 当たり前の事だけど凄く難しい事…いつか素直に…人に気持ちを伝えられるように、自分の良いところを見つけて、自分を好きになろう。 「なぁ、慎吾…」 「なに?司。」 「うち、たぶんあんたが思ってるより、あんたが好きやで。覚悟しときや…」
/90ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加