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「ひどいよ……」
「こっちの台詞だ!
毎回毎回変な噂を吹き荒らして行かれる身にもなってみろ!」
「……変な噂じゃないもん」
「あん?」
何か小言で小さな抵抗を示すが、昴の苛立った態度にそれは掻き消された。
「ったく……また教室に戻ったらクラスの奴から何やかんや言われるんだから、叫ぶ言葉を少しは考えてくれよな」
「……うん」
言えば言うほど急速に落ち込んでいく瑠璃を見るのには、とてもじゃないがこちらが落ち込みたくなるくらい回りの空気を重くする。
キーンコーンカーンコーン
昴が溜息をつくと同時に予鈴が鳴り響く。
昼休みも終わりになると戻らなければ行けないが、昴にはどうしてもその気にはなれなかった。
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