見知らぬ手紙。

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ガシャーン! ガシャ、ガシャーン! 静まりかえった真夜中の商店街に、びっくりするくらい自転車の倒れる音が響きわたった。 放置自転車につまづいてバランスを失ったアタシは、アスファルトで強く膝を打ちつけた。 擦りきれたストッキングに、じわじわと血が滲んでいく。 痛い…。 痛い…。 もぅ、ヤダ! 痛むヒザコゾウをおさえる。 砂まじりの傷がチクチク…ジンジン…と疼く。 掌も擦り傷だらけ。 最悪……。 きっと、アタシには幸運の神様は訪れないんだ。 ココロがしめつけられて…苦しい。 素直に泣けたなら、楽なのに。
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