見知らぬ手紙。

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あれは30分前。 最悪な「事件」がアタシに訪れた。 終電間際。 混雑した電車の中で、反射する窓硝子に映るアイツの横顔を見つけてしまったんだ。 不慮の大クラッシュ。 心臓をワシ掴みにされた。 突然すぎて現実味がない。 2年ぶり…。少し痩せたかな。 髪を短く刈り上げて精悍になった姿は、あの頃よりずっとオトナを感じる。 アタシの存在にちっとも気付かないんだね。 ココロがざわつく。 鼓動が早まる。 じわりと汗が滲む。 フラッシュバック…。 凝縮された彼との3年間が、思わず閉じた瞼の裏に早送りで映写された。
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