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「…あ、お兄ちゃん。
お帰りなさい…」
パジャマを着て、ベッドに横になる少女
上半身を起こし、砕を見つめるその顔は、何処か無理をしていそうな…
そんな顔
砕はその少女に笑顔を見せ、ベッドに近づいた
「美兎(みと)?ちゃんと寝てなきゃダメだろう?」
少女の名前は
須藤 美兎(すどう みと)
長い黒髪の十歳の少女
砕の妹にあたる
「お腹空いてないか?」
「あんまり空いてない…」
「そう言って…朝飯も食べてないだろ?」
砕は美兎のベッド脇に置かれているテーブルを見る
そこには冷えきったお粥と使われてないピンクのお茶碗
「待ってろ。兄ちゃんがご飯作って来るから、一緒に食べよう?」
「…うん!お兄ちゃんと一緒なら食べる!」
美兎は飛びきりの笑顔を砕に見せた
その笑顔を見て、砕も笑顔になり、美兎の頭を一撫でし、キッチンへと向かった…
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