2章 覚醒は不意に

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すでに話題にあがっている美少女転校生の噂のせいか、歩いている六人に対し、無遠慮な視線が向けられていた。 「やっぱ目立つんだねぇ」 「まぁ、この顔じゃあね」  周りの様子を見ながら言う茜に、軽い調子で渡瀬が答える。 「でもさ、なんでこの学校に?」  ぽん、と思いついたかの様に、前を歩いていた影塚は、つま先だけで半回転。 ターンの要領で、紫苑の方に向きなおり、問いかけた。 「この場所は、私にとって都合のいい事が多かったから」 「ん~、家から近い感じか!」  なるほどなるほど、と一人で納得して、 「あ、だったら……」 と、続けようとするところに、見かねた茜が、 「ちょっとちょっと。 月島さんも困ってるって」 ,
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