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ふと
何も無い所で
躓いた
何かが壊れる音がした
鋪装された地面の上で
女は座りこむ
膝からは
赤い液体が
滲みでている
脚の裏に
何とも言えない
痛みが伝わる
ふと
靴を見ると
ミュールの
踵の部分が折れていた
脚の裏は
豆が潰れ
靴に
血が付いている
惨め
女の中で
そんな
感情が生まれた
愛しい
あなたと
すれ違いばかり
この靴みたいに
もう
終わりなのかな??
ふと目頭が熱くなった気がした
後ろから
あたしの名を
呼ぶ
愛しい声
振り向けば
愛しいあなた
あなたは
あたしに駆け寄って
あたしの脚を見ると
こう優しく囁いた
いっぱい無理させて
ごめんね....
新しい靴
買いに行こうか
あなたの
背中の
温もりを感じながら
愛を誓う
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