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雀のさえずる声が聞こえる。
カーテンの隙間からわずかに朝日が差し込む。
時計が指すのは七時ちょうど。
朝だ。
体を起こそうとしたが、何故かびくともしない。
金縛り、ではなく、“何か”が俺に抱き着いている為に起きられない。
その“何か”とは、
「起きろバカ!」
“何か”にチョップをお見舞いすると、
「にゅっ!!」
と妙なうめき声を上げながら“何か”は目覚めた。
「……亮太……オハヨー」
「俺の布団に忍び込むなと何度いったら分かるんだ?」
そう“何か”に問い掛けるがも
「キリンさんが好きです……でも、亮太ちんがも~っと好きです!」
「…………」
このまったく話が噛み合わない“何か”は、
白石 渚(しらいし なぎさ)
自らの亜麻色の長い髪を愛する俺の幼なじみの女だ。
ちなみに俺は、水上 亮太(みなかみ りょうた)今日から高校二年生になる。
渚とは同い年だ。
まぁ今の状況は、俺の家の俺のベッドに何故か渚が忍び込んでいたのだ。
まぁ、もう慣れる程に当然の光景になってしまっているんだけどな。
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