目覚めは幼なじみと共に

2/24
前へ
/24ページ
次へ
雀のさえずる声が聞こえる。 カーテンの隙間からわずかに朝日が差し込む。 時計が指すのは七時ちょうど。 朝だ。 体を起こそうとしたが、何故かびくともしない。 金縛り、ではなく、“何か”が俺に抱き着いている為に起きられない。 その“何か”とは、 「起きろバカ!」 “何か”にチョップをお見舞いすると、 「にゅっ!!」 と妙なうめき声を上げながら“何か”は目覚めた。 「……亮太……オハヨー」 「俺の布団に忍び込むなと何度いったら分かるんだ?」 そう“何か”に問い掛けるがも 「キリンさんが好きです……でも、亮太ちんがも~っと好きです!」 「…………」 このまったく話が噛み合わない“何か”は、 白石 渚(しらいし なぎさ) 自らの亜麻色の長い髪を愛する俺の幼なじみの女だ。 ちなみに俺は、水上 亮太(みなかみ りょうた)今日から高校二年生になる。 渚とは同い年だ。 まぁ今の状況は、俺の家の俺のベッドに何故か渚が忍び込んでいたのだ。 まぁ、もう慣れる程に当然の光景になってしまっているんだけどな。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2423人が本棚に入れています
本棚に追加