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「もういいや」
寝ぼけてる渚を置いて部屋を出ようとすると、ガシッ、と渚が俺の服を掴みやがった。
「何だ?」
「チュー」
「……は?」
「おはようのチュー」
目をつぶり、どうやら俺がおはようのチューをするのを待っているらしい。
「…………」
放っておきたいのだが、服を掴まれているため逃げられない。
仕方なく人差し指と中指を立て、渚の唇に当てた。
「……ふぇ!?」
寝ぼけていたためか、渚は唇と勘違いしたようだ。
「これでいいか?」
「う、うん……」
渚は真っ赤になりながら大人しく俺の服を放した。
まったく、馬鹿な奴め。
何やらポーっとしてる渚を置いて俺は一人部屋を出た。
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