目覚めは幼なじみと共に

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「おはようございます。兄様」 リビングに入ると、本当に日本人なのか疑う程に違和感のないブロンドの美女が朝食をつくっていた。 「おはよう、梓」 水上 梓(みなかみ あずさ) 歳は俺の一つ下の高校一年生。驚いた事に俺の二親等、すなわち妹に当たる人物である。 我が妹ながらいつ見ても惚れ惚れする程に美しい。 この美しすぎる少女は十五年という短い生涯の中でこれまでに一体何人の男を落としたのか? おまけに家事は完璧だし いつも俺が帰ると出迎えてくれるから夫に尽くすタイプだ。 俺の中で、“嫁にしたい女ランキング”十年連続一位の座を守り続ける程の女だ。 だが彼氏はいたことがないらしい。 まぁ、もちろん梓の彼氏なんだから相応の男じゃないと認めないやしないけどな。 「今日から兄様と同じ学校です」 今日は俺達が通う“楽園高校”の始業式なのだ。 「そんなに嬉しいのか?」 「はい」 思い起こせば一年前、中学の卒業式の時はやばかった。よくわからんが梓が俺と離れたく無いとか言い出してずっとグズッていたのだ。 家でずっと一緒なのに。 だから梓は高校が楽しみで仕方ないらしい。 「あ、兄様。どうぞ召し上がってください?」 「あ、うん。いただきます」 まぁそんなことより俺は朝食を食べ始めた。
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