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「兄様、あ~んしてください?」
甘ったるい声を出しながら、まるで息子にするように梓が俺の口元に箸を持ってくる。
「あ~」
ん。うむ梓の料理は美味いな。
とまぁこれがウチの毎朝の当然の光景、仕方ない俺はシスコンなんだから。
それに断ったら梓泣くし。
「はい兄様、もう一口」
「あ、はい」
といった感じで俺達がまるでバカップル、もとい親子のような雰囲気をかもしだしていると、
「あー!梓ちゃんずっるーい!私もするー!」
やって来たのは不法侵入者こと白河渚。
「あ、渚さん。おはようございます」
もはや梓も渚が忍び込む事に慣れてしまっている。
ちなみに渚の家はウチの隣、それだからこそ出来る芸当である。
「私も亮太に“あ~ん”する」
「ダメです!これは私の役目なんです!」
またか。
こいつらはいつも飯時にはこんなくだらない事で喧嘩する。
まぁ仲は良いんだけどね。何でだろうね。
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