2423人が本棚に入れています
本棚に追加
そのまま結局二人の闘いはヒートアップし、何故か二人共腕に抱き着いてきた。
「あの、お二人さん? こんな両手に女の子引っ付けて歩いてる奴なんて、現実世界では絶対に存在しちゃいけないんだよ?」
「そうですね、じゃあ渚さん離れてください」
「梓ちゃんが離れれば? 亮太は私の方が好きって遠回しに言ってるんだよ?」
またもやっかみ合う両者、結局論争は学校に着くまで続いた。
「やれやれ、やっと着いた」
言葉通りに俺達が通う楽園高校にやっと到着。
「ふわぁ、桜綺麗ですね」
と、興奮気味に言うのはマイシスター。それもそのはず、楽園高校は桜の木が異常に多い。
だからこの季節は素晴らしい景色が見られ、毎年ながら新入生は皆この景色に魅入ってしまう。
かくいう俺もそうだった。
だがどうやら今年の新入生達は桜の木ではなくこちらを見ている。じろじろと。
当然ながら原因はこの二人。
二人共日本人には珍しい髪の色にこの容姿だ。それがおまけに俺に抱き着いているんだから、そりゃあ目がいく。
「それじゃあ梓、また後でな」
玄関で教室に向かう梓と別れ、中庭に張り出されているらしいクラス表の元へ向かった。
「今年も亮太とクラス一緒かな?」
見上げてくる渚はとても不安げだが、
「絶対一緒だ」
自信を持って頭を撫でてやる。
間違いなく一緒だよ。俺達を離すのは教師陣にとっても色々と不都合だしな。
最初のコメントを投稿しよう!