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学校から出てひたすら走った。もう、仲間もいない。恋人もいない。
家は僕が中3のとき「じゃあ行ってくるね。」と両親は出かけてから戻ってくることはなかった。残されたのは家とお金だけ……もう何もない。
……いや、まだあいつがいるか。僕の最高の友達。うん、まだ大丈夫。
「これからどうするかな。家に戻っても淋しいだけだし。」
ブラブラと歩いて公園の中に入った。そしてブランコに乗って軽く漕ぐ。キィ、キィと虚しい音が響いた。
「懐かしいな。オヤジとおふくろで小さい時によくこの公園にきたっけ。」
日は傾いた時に公園にカップルが入ってきた。
……もう出よう。見ても彼女を思い出すだけだ。
ブランコから飛び降り、公園から出ようとしたが、その足は止まった。
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