666人が本棚に入れています
本棚に追加
見たものは、例の彼女と僕の親友が腕を組んで歩いてる所だった。親友、井上啓治(イノウエケイジ)は小学生の頃からずっと遊んでいた。そして一番信用してたのに。
「他の彼氏ができたの。」
振られるときに彼女に言われた言葉が頭の中で何度もリピートされる。アハハハ。何だ。啓治だったのか……。
しばらく動けなくなっていたら啓治と彼女は僕に気付いたらしく、近づいてきた。
「よう、和彦。」
凄い気楽に声をかけてくる。そんな啓治に虚ろな目で見ることしか出来なかった。
「まあ、ドンマイ。」
啓治がぽんっと肩を手で叩いてくる。彼女は隣でクスクスと笑っていた。
「あ~、そうだ。ついてないんだよ。お前は、」
啓治は笑いながら言ってたけど、何も聞こえない。啓治達の横を走る。ひたすら走り続けた。
気が付いたら、冷たい雨が降っていた……。
最初のコメントを投稿しよう!