666人が本棚に入れています
本棚に追加
冷たい雨の中を傘もささずに走っていく。
「ははははは……。」
周りは憐れんだような蔑んだような視線をぶつけてくる。
なんだよ、そんな目で見るな。見るな。見るな!!
腐ってる、もう嫌だ。
向かった先はビルの屋上。フェンスによじ登り、下を見る……。
「和彦!!何やってんだよ!!やめろ!!」
ここで啓治が止める……。
……甘い考えか。小説の読みすぎだな……。振り返っても案の定、誰もいない。
当たり前か……。
「嫌な人生だったな……。」
不思議と恐怖はない。あるのは絶望……。
強く目を閉じる。そして、僕はビルから飛び降りた。
僕は死んだんだ…………。
周りは真っ白な世界で何もない。
天国……。ではなさそうだな。
最初のコメントを投稿しよう!