この世界に絶望した!!

5/10
前へ
/203ページ
次へ
冷たい雨の中を傘もささずに走っていく。 「ははははは……。」 周りは憐れんだような蔑んだような視線をぶつけてくる。 なんだよ、そんな目で見るな。見るな。見るな!! 腐ってる、もう嫌だ。 向かった先はビルの屋上。フェンスによじ登り、下を見る……。 「和彦!!何やってんだよ!!やめろ!!」 ここで啓治が止める……。 ……甘い考えか。小説の読みすぎだな……。振り返っても案の定、誰もいない。 当たり前か……。 「嫌な人生だったな……。」 不思議と恐怖はない。あるのは絶望……。 強く目を閉じる。そして、僕はビルから飛び降りた。 僕は死んだんだ…………。 周りは真っ白な世界で何もない。 天国……。ではなさそうだな。
/203ページ

最初のコメントを投稿しよう!

666人が本棚に入れています
本棚に追加