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仕草が可愛くて仁は人知れず胸を高鳴らせる。
「内緒なの?玲志、意地悪だなぁ」
からかいを含んで零せば玲志はクスクスと笑った。
その笑顔につられるように仁も楽しそうに笑みを零す。
こんな些細な事でも一緒に居ると楽しくて自然と笑顔になる。一緒に居るだけで何でだか何でも出来そうな気さえした。
仁は周りに誰も居ない事を確認すると徐に腕を伸ばし玲志の頬にそっと触れる。
玲志はその大きな手に胸を高鳴らせ頬を染めた。早鐘のように脈打ち頭に響く鼓動に目眩さえ覚える。
潤んだ瞳で見上げてくる玲志に仁は静かに顔を近付けると触れるだけのキスをした。
チュッと微かに湿った音をさせ、名残惜しそうに離し指で頬を擽るように撫でる。
「玲志、可愛い...」
「....仁...」
玲志は耳まで真っ赤にして今にも泣き出してしまいそうな顔をしていた。
お互いの気持ちが通じ合い世間一般的に、恋人になってから数ヶ月。
キスをする度、赤くなる玲志が可愛くて仕方なかった。仁は玲志を優しく抱き締めると低い声で囁く。
「今日、俺ん家、来る?」
「.....うん」
問い掛けに小さく返ってくる返事は玲志の精一杯の答え。仁は僅かに目を伏せ笑った。
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