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ほの暗い中。
少しの隙間がある二つの影。
なんだかそれが悲しくて
わざと止まってみる。
「…莉子?」
やっぱり伊織先輩は振り返り
優しい笑顔をむける。
昔ならこれで満足だった。
でも欲張りになってしまった。
「先輩、手、繋ぎたい。」
手をだす。
結構、恥ずかしい。
伊織先輩は少し固まると
また照れたような、困ったような
笑いをすると私の手をとる。
「行きましょうか、
俺のお姫様。」
似合うなぁ。
伊織先輩の前世は絶対
どこかの国の王子様だろうな。
私が嬉しくてにっこり笑うと
伊織先輩も笑ってくれて。
なんかそんな些細なところに
『幸せ』
感じてたりするのです。
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