《遺書・遺詠-壱-》

7/16
前へ
/41ページ
次へ
[細金政吉…20歳]  光男お手紙ありがとう。元気で勉強して居るとの事兄も安心す。  もう体も大丈夫に成っただろう。新潟の子供とも仲良しに成ったそうだがけんかなんかしてはいけない。少しくらいの事でおこる様では本当の男ではない。男の子は男の子らしく正々堂々とやるべきである。  家からは度々手紙が来るが光男もひまがあったら時々手紙を出しなさい。きっと心配して居るぞ。栗拾いに行ったそうだが大きな栗が取れたそうだね。満州には栗の木などは見られないよ。やはり日本は良い國だと思う。では体を大事にして一生懸命にやれ。病気に成って死ぬは男として恥と考えなくてはならない。では元気で 細金政吉少尉(東京都) 第107振武隊 昭和20年4月16日戦死
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

350人が本棚に入れています
本棚に追加