1684人が本棚に入れています
本棚に追加
湧一は、クレスタを、暫定のスタートラインへ着ける。
「いいかァ、一応バトルだと思ってやっど」
「グォン」
湧一は、返事の代わりに、クレスタのエンジンを吹かす。
「どうせなら、ノリながらやっていこうや」
そう涼が言い、ポケットからカセットを取り出し、曲を掛ける。
カセットのラベルには“YOU GOT ME SPELLBOUND/LESLIE PARRISH”と書いてある。
曲が掛かった瞬間、一気にテンションが上がる。
「兄貴ィィィィィ、行くどォォォォォ!!」
「事故んなよ!! 一気に踏み込め!!」
湧一は、パワードライブのスイッチをオンにする。そして、クレスタのアクセルを、一気に踏み込む。
「グォォォン」
クレスタは、十何年もの間、この瞬間を待っていたと言わんばかりの唸り声を発した。
最初のコメントを投稿しよう!