練習

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湧一は、クレスタを、暫定のスタートラインへ着ける。 「いいかァ、一応バトルだと思ってやっど」 「グォン」 湧一は、返事の代わりに、クレスタのエンジンを吹かす。 「どうせなら、ノリながらやっていこうや」 そう涼が言い、ポケットからカセットを取り出し、曲を掛ける。 カセットのラベルには“YOU GOT ME SPELLBOUND/LESLIE PARRISH”と書いてある。 曲が掛かった瞬間、一気にテンションが上がる。 「兄貴ィィィィィ、行くどォォォォォ!!」 「事故んなよ!! 一気に踏み込め!!」 湧一は、パワードライブのスイッチをオンにする。そして、クレスタのアクセルを、一気に踏み込む。 「グォォォン」 クレスタは、十何年もの間、この瞬間を待っていたと言わんばかりの唸り声を発した。
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