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湧一は、言われたとおりハンドルを逆に回す。
「くぉーー」
タイヤが鳴く。湧一は、偶然とはいえ、一瞬ドリフトをする。そして、その角度をつけたまま、クレスタは止まった。
「…………はぁはぁ」
「……あぶねェ。調子乗りすぎだ、バカ!!」
「何で、ハンドルを逆に切れって言ったの…?」
「ドリフトの基本だよ!! つか、横滑り起こしたらその起こした方向に切れって、教習所でも習うだろ、カス。お前、あんな滑り出した所で、ずっと、ハンドルを同じ方向に切ってみろ? そんままずっと内側に曲がってスピンモードへ突入だべ!? そんまま、コントロール不能に陥って、事故ったらどうするん? だから、それが起んないように、ハンドルを逆に回して、それに拮抗する力を作る訳よ。カウンターっち言うんだけどな」
「つまり、ドリフトしてた!?」
「そうだよ、一応。けど、まだ、わざとしようとすんなね。今回は、上手くいったけど、次は上手くいく保証はねェからな」
「あいあい」
「んじゃ、エンプティーがつくまで走りこむか!!」
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