第二章 気術師の到来

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悪魔の子、それがオレのアダ名だった。 それはオレが暴力的であったわけではなく、また大きな罪を犯したわけでもなかった。 ただオレの周りで命に関わることが多かっただけだ。 まず小三のころ両親が死んだ。交通事故だった。その後仲が良かった祖父の家であずけられたが、一ヶ月後にガンを患い死んだ。学校では心配してくれた奴数人が何らかの形で怪我をした。 この頃から「光一君に関わる人は死が近くなる」という噂が流れ、ほとんどの奴がオレに関わりを持たなくなった。ちなみに志保や龍鬼、夜行は例外であった。 信用できる奴以外になるべく関わりを持たないようにオレは努力した。そのおかげか中一の頃は志保達と転校してきた虎神以外にオレと関わろうとした奴はいなかった。 しかし中ニのとき、隣の席の女の子が事故で植物人間になった。後から聞いた話だとその女の子はオレのことを好いてくれていたらしい。 その子の親友からは何度も悪魔と罵られた。その噂が校内に広まりオレは悪魔の子になった。これが加藤光一の全てであった。
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