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そこには怪我どころか、傷痕すらなかった。
「…………………どゆこと?」
「わ、わたしの気解放の能力で治しました」
「だから気解放って何だよ!」
思わずツッコミを入れた。突然の大声で岩見さんがビクッと震える。本当に小動物みたいだなー。
「き、気解放知らないんですか?」
「おう」
「どどどど、どうして知らないんですか!?たたたた、隊長は何考えてるんですか!?わたし規定違反しちゃいましたぁぁ!」
すごい慌てている。
「とりあえず落ち着いて」
「あわわわわわ」
「話聞いてる?」
「どうしようどうしようどうしようどうしよう」
駄目だ。全くきいてない。女の子に手をあげるのはかなり抵抗があるが、仕方あるまい。荒療治をやることにした。
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