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オレは席に座り、龍鬼に話しかけようとした。が、
「私たちには挨拶もなしというのはどうかと思いますが?」
という声に遮られた。
「なんだ響子、いたんだ」
「バス停からずっといましたわ!」
龍鬼(リュウキ)の妹の響子(キョウコ)はバスの中で怒鳴った。つまり、密室に近い場所で。
客のほとんどがオレを睨んできたが、スルーした。
「オハヨウゴザイマス、キョウコサマ」
「…?何ですか、その片言は?」
「ナンデモナイヨ。タダ、バカニシテイルダケダヨ」
「この…!」
響子は顔を真っ赤にして拳を振り上げてきた。わかりやすいやつ。
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