第一章 私立マンモス学園

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響子はオレに殴りかかろうとしたが、後ろの本を読んでいる女の子に遮られた。 「静子(セイコ)。はなしなさい」 「…拒否します…」 透き通った声で静子が言い返す。実はこの二人、双子なのである。性格からわかるように二卵性双生児だが、共通点があった。 二人とも頭がすごくいいことだ。今中三だが一度も学年一位、二位を譲ったことがないらしい。忌々しい。ああ、忌々しい。 「まあ、怒鳴るのは止めにしようぜ。他のお客さん方も困ってるみたいだしさ」 龍鬼が話を締めた。しぶしぶ響子はひきさがった。ちなみに龍鬼は優秀な妹達と違って、今まで学年最下位を譲ったことのない実力者である。 まあ、それはおいとくとしても、なんやかんやあって学校に到着した。目の前にある巨大な建物。それがオレ達の通う学校、小中高エレベーター式の学校で名をマンモス学園といった。
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