第一章 私立マンモス学園

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「斎藤っているだろ。同じクラスで」 「えっ?いたっけ?」 「いるんだよ」 もちろんその場しのぎのでっちあげである。実際斎藤なんていない……と思う。 「そいつがさ、結構女たらしだからお前のこと心配したんだよ」 「えっ……」 志保は驚くほど顔が赤くなった。そして 「あ、ありがとう」 と、小さな声で呟いた。なんか妙に恥ずかしくなってきた。しかも志保の真っ赤になった顔を見ているとドキドキしてきて…… オレは何か話さなきゃと思い、最悪のことを口にした。 「で、でも大丈夫だろ」 「何で?」 爆弾爆発まで二秒前。 「だって志保は男にも負けない超暴力女じゃん」 「暴りょ……!」 その瞬間志保の半径五メーターの雰囲気が変わった。こ、これは殺気? 「覚悟しなさい…」 ああ、これは鬼なんてもんじゃない。修羅だ。とんでもない破壊神だ! そんなんにかなうはずもなく、ズルズルと体育館裏に引っ張られていった……。 その日始業式に欠席が二人いて、外から断末魔の叫びが聞こえたことは七不思議の一つになった。
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