第二楽章…雨にオチル

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『ん、弁当』 光也は手近な椅子を引き、ちゃっかり座る↓ ワザと、杏香に背を向けて 杏香の声が聞こえる位置に。 光也とおそろいの弁当は、定番アニメキャラ。 杏香の母が二つ料理して、撮影コレクションするほどの力作で 愛娘が勝手に親友に合わせる早登校には、毎朝間に合わない。 最近は、ネットで弁当画像まで公開しているらしい。 年々大きくなる、双子のキャラクターたち。 (光也はただの幼なじみなんだぁ~って ホントは、叫びたいけどさTT 母ちゃんの弁当を運搬してるだけ! なんだってば;) 心の中では、わめきながらも 光也が否定しないのをいいことに、杏香は甘える。 周囲の冷やかす声に、あえて、反論しない。 「ナぁミぃ~おべんと交換しよ」 『やぁよ! あたしとおそろいじゃ、光也くんに悪いもん!』 当然ナミも、二人の仲を誤解…… (……でも; ナミを愛してるって気持ちがバレて、ナミに嫌われるより、マシ! むしろ、アタシと光也が恋人同士だって、誤解しててくれ!) 「うぅ……ナミぃ↓↓ 弁当ぐらいじゃ、幼なじみの仲は裂けないって★ ひじき! ひっじっきっ!」
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