160人が本棚に入れています
本棚に追加
(やったぁ↑ヨカッタ♪
……じゃない、か;)
ナミの肩が、小さく震えている。
杏香はナミにそっと手を伸ばし……
触れることが出来ずに、自分の手を握りしめる。
手のひらに爪が食い込むぐらい、ギュッと。
(アタシが、男……だったら
ナミを抱きしめて絶対離さないのに↓↓)
「ナぁミっ♪」
ワザと明るい声で
杏香はナミと窓の間に身を滑らせる。
ナミは泣いて……いなかった。
(こんな時でも笑顔が貼りついてるんだから;
……もう!)
「ほら、座って座って!
杏香サマが髪の毛とかしたげるっ♪
桜がいっぱいついてるよ~」
(これ以上ナミの顔見てたら、理性ぶっ飛ぶ!)
ナミを無理やりイスに座らせて
杏香は自分のクシで、細くて絡まりやすい親友の髪をすいていく。
「なぁ……ナミ」
『ん?』
杏香の細い指が、髪を滑る。
(「姉ちゃんよりナミを、愛してる」なんて言っても……
アタシじゃ、ダメだ;)
「おんなじクラスになるとイイな!」
(それが、ナミとの最短距離……)
杏香は、桜の花びらを胸ポケットにしまった。
……コッソリと。
最初のコメントを投稿しよう!