はじまりのひかり

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彼女はイライラしていた。 今やっている携帯のアプリの謎が解けないのも大きな一つだが、待ち人が来ないのだ。 遅い、遅すぎる。一体何分待たせれば気がすむんだ。 時計は、約束の時間を五分ほど過ぎた時間をしめしていた。 しょうがない、アイツには後でマックを奢ってもらおう。 人を待たせているんだからそれぐらいしてもらって当然だ。 ああ、奢ってもらうマックは何にしよう。やっぱりマックフルーリーかな?いや、メガテリもいいかもしれない。 一度でいいからたべてみたかったんだ。 あきとはそう思い、アプリの操作を止めた。 周りを見渡してみると、同じ様に同じ人を待つ友達。 彼らの顔にはおのおのの表情が浮かんでいた。 二人男子に一人女子はさすがに目立つかもしれない。分不相応だな、と思い思わずあきとは苦笑いをもらした。 といっても、待っているあの男が来れば男子は三人になるのだが。 階段を見ても、あいつはまだ来ない。 「タク、おっせーな、私を待たせるなんて、いい度胸してんじゃん」 彼女……桐山あきと(きりやまあきと)は携帯のふたを閉じながら声を発した。 眉間にはしわがよっている。image=193378067.jpg
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