198人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女はイライラしていた。
今やっている携帯のアプリの謎が解けないのも大きな一つだが、待ち人が来ないのだ。
遅い、遅すぎる。一体何分待たせれば気がすむんだ。
時計は、約束の時間を五分ほど過ぎた時間をしめしていた。
しょうがない、アイツには後でマックを奢ってもらおう。
人を待たせているんだからそれぐらいしてもらって当然だ。
ああ、奢ってもらうマックは何にしよう。やっぱりマックフルーリーかな?いや、メガテリもいいかもしれない。
一度でいいからたべてみたかったんだ。
あきとはそう思い、アプリの操作を止めた。
周りを見渡してみると、同じ様に同じ人を待つ友達。
彼らの顔にはおのおのの表情が浮かんでいた。
二人男子に一人女子はさすがに目立つかもしれない。分不相応だな、と思い思わずあきとは苦笑いをもらした。
といっても、待っているあの男が来れば男子は三人になるのだが。
階段を見ても、あいつはまだ来ない。
「タク、おっせーな、私を待たせるなんて、いい度胸してんじゃん」
彼女……桐山あきと(きりやまあきと)は携帯のふたを閉じながら声を発した。
眉間にはしわがよっている。
最初のコメントを投稿しよう!