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プロローグ
其処に、青年と少女がいた。
そして、見守る少年たち。
少女の顔は青く、目を見開いていた。
息は少し荒く、浅く。自分の目の前で起こっている現実を否定したい思いで一杯だった。
――どうして、こんなことに
『こんな、兄ちゃんでごめんなぁ』
息も絶え絶えに青年はそう呟いた。
「お、に、ちゃ……」
『ごめんな。ごめんな……――』
青年はその言葉を壊れた玩具のように言い続けた。
「お兄ちゃん、私はっ……」
――あなたと 一緒にいたかった。
「君が生きるこの場所で死ねた。俺はそれだけで満足さ」
さようならのかわりに
――最期で最高の笑顔と抱擁を
「いっ、いやぁぁぁぁああああああああ!!」
「あははハハハはははははぁあははははっ!!」
最後に響くものは悲鳴?それとも哂い?
どうして現実はこんなにも残酷で、悲しいんだろう。
ねぇ、あなたは
――そ れ で も い き る の で す か?
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