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「雄一さん…?」
「リリカちゃん、どうしてここに?」
家に帰って着替えたのか、いつものスーツ姿じゃなく、細身のジーンズにブラックのシャツで、いつもより若々しくてカッコ良かった。
「私は母親の命日だから、お墓参りに来て…」不思議な子どもの声に呼ばれた事は、変に思われたくないから黙っておいた。
「リリカちゃん、お母さんが亡くなってるの?」雄一は悲しそうに表情を曇らせた。
この男は、なんでこんなにも感情を表に出せるんだろ。
だけど、それはイヤなものではなかった。
多分、雄一が素直なのがわかるからだろう。
「リリカちゃんのお母さんのお墓を参らせてもらってもいいかな?」雄一はそれがごく当たり前のように言った。
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