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雄一の息子のお墓には、キレイな花と共にお菓子や炭酸ドリンクが供えてあった。
私は心の中で、私なんかがお参りしてごめんねと思っていると、どこからかリリカお姉ちゃんありがとうって聞こえた。
さっきの声に似ているけど、会った事もない雄一の息子が私を知ってるのか?
わけがわからない…。
「リリカちゃん、ありがとう。瞬も喜んでいるよ」雄一が少し涙ぐみながら言った。
私はあの声の事で頭がいっぱいだったから、雄一の言葉には適当に頷いた。
でも、瞬なんて名前に聞き覚えないし…。考えても仕方ない気がした。
「さて、雄一さん、この後もし予定が入ってなければ、私と一緒に近くの美術館にでも行きませんか?」私が立ち上がりながら、雄一の返事を待った。
雄一は少し意外な表情をしつつ、暇だから付き合うよと言ってくれた。
私は瞬のお墓に向かって、バイバイ、また来るねと挨拶をした。
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