耽溺

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全く会えないってわけではない。 店に行けば、リリカは僕の相手をしてくれるから。 だけど、店での上っ面だけの優しさ…、いや、はっきり言うと彼女の体に触れたくて仕方がないのだ。 やはり、僕は勝手だ。 自分の欲望だけで、リリカに会いたがっているのだから。 そんな自分に嫌になるが、リリカに会って触りたくてしょうがない。 今日こそは、リリカに誤魔化されないで、よく話し合ってやる。 そんな事を考えながら、リリカに会いに店に向かった。 週末の割には、お客が少なかった。 リリカは僕が注文した飲み物を作ってくれた。 「今日は早い時間に忙しかったの?」 「ううん。今日は何かヒマだよ。まぁ、こういう日もあるわよ」とリリカが肩を竦めると、マスターがリリカに今日は早く上がりなよと言った。 「うん。マスター、ありがとう。雄一さん、一緒に飲もうよ」 「ああ。いいよ」と僕が肯定すると、リリカは着替えに行った。
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