ある女のささいな復讐

犠牲者

誓って言うが、私は犯人じゃなかった。

私の母親に、泥棒と人殺しだけはやるなと言われてたし。

担任はヒステリックに怒鳴ると、私の頬を叩いた。

私は泣きながら否定した。

その時、給食費のなくなった男子がやって来て給食費がランドセルの奥から見つかったと担任に謝った。

担任はその男子のそっそかしさを叱りつけたが、泥棒扱いした私の事はシカトだった。

その日から、何故か私はクラス全員からいじめられる事になった。

女子は無視、男子には髪を引っ張られたり、罵られたり、殴られた。

仲の良かった女子にさえ、口を聞いてもらえなかった。

ホント、友達って言葉が大嫌いになった。

そんないじめに我慢が出来なくて、私が担任に助けて貰おうと思って、職員室に行くと担任の喋り声がした。

「…。まぁ、杉山リリカは貧乏人で頭も悪いからいじめられてるんですよ～」と笑いながら言ってた。

そして、職員室の入り口で立っている私を見て、バツが悪そうにそっぽを向いた。