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「今日も適度に疲れたな。」
小説の冒頭だからって、空に向かって完全な独り言を吐かされてしまっている俺の名前は白山俊樹(しらやまとしき)。
普通の高校に通う、これといった特徴を持ち合わせていない平々凡々な学生であると同時に、華も腐りそうな中弛みの2年生。
今日も普段通りの授業は控え目、部活は全力な偏ったスクールライフを終えて、現在下校の真っ最中だ。
ちなみに、硬いボールを打ち合うことで互いに心を通わせ、将来に向けて、青春と言う名の美しき財産を作るための部活に入っている。
……すみません。
普通にテニス部に入ってます。
入部した理由は、単純に女子にモテそうだから(不純でゴメンナサイ)。
中学生の時は帰宅部だったのだが、「部活に入って活躍すればモテるんじゃないか?」という下心を推進力に変えて、高校ではテニス部に入ったのだ。
テニス部入ってからモテたかって?
野暮なこと聞くなよ。
……結論から言えば全くモテない。
切なさが溢れ出し過ぎるくらいに。
活躍すればモテるなんて考えは甘かった。
いや、そもそも活躍すらできていない。
俺には活躍をするうえで大事なものが決定的に欠けていた。
そう、それは運動神経。
練習は真面目にやっているし、上手い友達に教えてもらったりもしているのだが、一向に上達する気配がない。
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