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「女として扱ってほしいならお父さんを連れ戻せよ。」
「いやよ。あの人じゃ新鮮味がないわ。だから俊樹にかまってほしいのよ。」
ああ。
ダメだ。
何言っても通じないな。
しかももうすでに自分の世界に入り込み始めてる。
というわけで、ぶつぶつ言い続けている妄想族を尻目に咲と一緒に晩御飯を食いに一階に下りていった。
「ということだから、まずは俊樹、お母さんにキスなさい!!って、俊樹?咲?お母さんを置いてかないで~。」
☆★
「「「ごちそうさまでした。」」」
先に食べ終わっても全員が食べ終わるまで待って「ごちそうさま」と言うのはうちのルールみたいなものだ。
咲は食べるのが遅く、いつも俺に迷惑をかけまいと一生懸命速く食べようとする。
まあ兄としてはその健気な姿が堪らないわけで、いつも見入ってしまう。
そしていつものように優しく
「そんなに急がなくていいからな。」
と、咲の頭を撫でながら言ってあげる。
咲は潤んだ目で
「うん。ありがとうお兄ちゃん。」
堪んねえなあこんちくしょう!!
シスコン万歳!!
そんな咲とのやり取りに腐った視線がビシビシと来たが完璧にシャットダウン。
至福のときを邪魔するなや。
晩御飯のあと風呂に入り(母親が一緒に入ろうとしたのでローキック)、テレビを見ていつものように寝床に着いた。
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