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『兄さんを迎えに来た』
髪の毛の長さこそに違いがあるがにこりと微笑みながら即答する双子の片割れは更に続ける。
『僕や父さんに隠していつまでも放蕩息子できると思わないでよね』
そういうとベットの脇に腰をかけ政治家(っぽい)ローブをふわりとはらう。
『なかなか様になってるじゃないか』
ゴロンと寝返りをうつ俺に
『兄さんが着たらもっと似合うと思うよ?』
しれっと返す。
『容姿は大して変わんないんだからお前でいいだろう』
家の親父はこのラミオス国の王都町ルオの領主。
んで俺と双子の弟ラウとでどちらが後を継ぐかという問題なわけなのだが…
『……兄さん?兄さんに縁談の話を持ってきたんだけど』
……………………?
は!?
『断る!!』
いきなり何なんだ?!
縁談?嫁?結婚?
そんなモノ当然する気なぞ無い!!
『…いうと思ったよ…』
半ば呆れた様に軽いため息混じりにつぶやいたその言葉には予想通りとでも言いたげな感も見える。
『当たり前だろうが!!』
『でもね…とりあえず断らないでくれればいろいろたすかるんだけど?』
『どういう意味だ?』
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