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先に【親友】と口にしてくれたのは藤河さんだった。
他の人と感性が違う藤河さんだが、俺とはその部分で合致していて…。
弱さとか…辛さとか…中々口にしないし、当たり障りない広く浅い付き合いをしていた藤河さん…。
笑顔で居るのもそれ…。
そんな藤河さんが、俺の前で泣いてくれた…。
そして、親友と言う立場で越えてはならない境界線を越えてしまった、もう1人の親友が居た…と話してくれた…。
だけど、俺はそんな事で藤河さんを失いたくなかったし、大好き…愛してるの種類は恋愛とは別次元…友愛だから…。
何があろうとも離れない…そう伝えた事で、お互いに同じ気持ちだと解ると、揺るぎない絆と目に見えない独占欲を御互いに抱き、安心させるかの様な…関係の証として【親友】と口にする様になった。
恋人との時間は優先。
だけど、それ以外は暇なら遊ぶ、泊まりは当たり前…一緒にも寝る…。
俺は藤河さんより12cm小さい為、寝る時は単純に抱き枕プラス冬場は寒がりな藤河さんの人間カイロと化してたが、実は藤河さんには俺に対しての癖がある…。
夜中、先に寝てしまっていた藤河さんは目を覚ますと、どうやら俺の髪に指を通して触るのと、必ず腕枕で自分の胸に抱き込むのだ。
時には髪に鼻を埋めてる時もある…。
何故気付くか…それは抱き付く様にして枕に寝てた筈が、朝には腕枕な上に絶対頭上から声がして、髪をツンツン引っ張られるから…。
至近距離に顔があるのでビックリするし…。
それでも、御互いに体の関係を結ぶ事はなかった。
それは俺と藤河さんの日常で、スキンシップなだけだったから…。
一度、友人から言われて抱き付いて一緒に寝るのを拒絶した時は、親友以前に友達以下だと告げられショックだったが、それは藤河さんの精一杯の賭けでもあったらしく、藤河さんも俺の言葉にショックを受けたらしい。
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